英語で情報を取る(欧州経済&エジプト政治)[久松 20110202]

浅見、綾部、西中、須賀、丹羽さん:
<関心がありそうな人には転送してもかまいません>
<不要なら、久松に送るな、と言ってください>
<暇な時に読んで頂ければ幸いです>

昨日のTOEICテスト、お疲れさまでした。

今日のトピックは、ヨーロッパの経済問題と、
エジプトの政治問題です。両方ともに、日本のメディアの
報道が弱いのが特徴です。とはいえ、両者に日本は深く
関わっています。アイルランド政府の救済に日本政府は大きく
関わっていますし、エジプトが管理するスエズ運河
日本の海上輸送の一つの生命線です。

ヨーロッパの経済問題(特にユーロの今後)を考える上で、
見通しの良い新聞記事がNew York Times Magazineに出ました。
Paul KrugmanのCan Europe Be Saved? (Jan. 12, 2011)というのがそれです。
http://www.nytimes.com/2011/01/16/magazine/16Europe-t.html?_r=2&pagewanted=all
これはヨーロッパ、もしくは世界経済、国際金融に関心を持つ人には必見です。
読み飛ばしてわかれば結構です。

わからなければ日本語の解説があります。
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20110201/FOUR_EUROPEAN_PLOTLINES
しかし、是非とも英語で「読み飛ばして」いただきたいと思います。
私思うに、こういうのを読んでわかるようになることこそ、
大学で英語と経済学を勉強する理由だと思います。
(前回、MajorとMinorの話をしたことを想起してください)

他岸の火事だと思わないでください。日本の公的債務残高を考えると
ここ数年で、かなり状況が変わる可能性があります。つまり、
これまで日本の公的債務は(一千兆円ほど)は、日本国内の貯蓄で
賄ってきました。つまり、我々が銀行・郵貯に貯蓄して、その金が
日本国債を買うのに使われてきたのです。しかし、ここ数年で
その金が足りなくなります。借金は増えますので、海外から
借金をしなくてはならなくなります。必然的に、より国際金融と
関わりを持たなくてはならなくなります。

また、私は
1)TPP賛成、
2)アジア共通通貨反対
ですが、2)の根拠が、このKrugmanのop-edに書かれています。

Paul Krugmanは私の秋学期の「開発経済論」のテキストである
『世界大不況からの脱出』
The Return of Depression Economicsの著者であり、
2008年のノーベル経済学賞の受賞者であり、
New York Timesのコラムニストであり、
米国の「リベラル」論客の一人の代表者でもあります。

次は、エジプト情勢です。昨日(2月1日)、NHKクローズアップ現代』にて
山内昌之氏(東大)がエジプト軍の権益を考える必要があるとの
良いコメントをしていましたが、日本語での情報量は格段に低いと
思います。もちろん、新燃岳の噴火も大事だし、日本海岸の大雪も
大事なのですが、どうしてもニュースが少なすぎると思います。
(エンターテイメントが多いのは、無意識の愚民政策かと
勘ぐってしまいますが、これは考えすぎ)

そこで、本当は皆さんにAl Jazeeraを見ていただきたいのですが、
http://english.aljazeera.net/
なかなかリスニングが大変かもしれません。
文脈もわからないかもしれません。私も大変です。
今回は、もっと複雑なことを意識してもらおうと思うのですが、
まずは基本情報です。いつでもNHK onlineです。日本語は
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110202/t10013791981000.html
英語は
http://www.nhk.or.jp/daily/english/02_15.html
まだ、動画がアップされていないようです。

さて、こういう騒動では、当該政府はメディアを規制しようとします。
そこで、メディアはどうするのかというのがいつでも大事です。
これは視聴者側から言えば、「どう規制されたメディア」と向き合うか
ということです。このことは常に意識しておく必要があります。
できるだけ回避するためには、いろんなメディアから情報をとる
ようにするということです。

と言っても、なかなかわかりにくいかもしれませんので、
今回のエジプト騒乱についてのメディアの関わり方について
インタビューを行っているRachel Maddow Showのリンクを
つけておきます。ジャーナリズムというのは我々の頭の
情報源ですから、とても大事なので関心をもっていただけると幸いです。

Al Jazeera in Egypt, press under duress
Abderrahim Foukara, Washington bureau chief for Al Jazeera International,
talks with Rachel Maddow about the challenges of reporting in Egypt when the
government is hostile to a free press.
http://www.msnbc.msn.com/id/26315908/vp/41361437#41361437

今日は以上です。書きながら、皆さんがニコニコ生放送でも使って、
英語でRachel Maddow Showのような英語のニュース・ショーを日本で
作ってくれるととってもいいなぁと思ったのですが、まぁいいや。

最後、デモに実際に参加しているエジプトの小説家のop-edです。
日本語ではなぜかこういうものがすぐに出てきません。
題がカッコイイ。Date With a Revolution、つまり「革命とデート」。
http://www.nytimes.com/2011/01/31/opinion/31eldin.html?partner=rssnyt&emc=rss

それでは。乾燥しているので、風邪・インフルエンザにご注意を。

久松佳彰